3日坊主の日記帳〜地獄の社畜編〜

日々の雑感。140字では伝えきれないことを書こうかと。※ブログ名改題しました。

【復帰8週目】撃沈。そして復活

長らく更新がご無沙汰になりました。すみません。

 

予想通りというか何というか、年度末のゴタゴタに巻き込まれ、

全く更新できませんでした。

家を出て職場へ行って、また家に帰ってすぐ寝るだけの繰り返しです。

 

そして、いまこうしてブログを書いた後も、日曜なのに出勤なわけですが。。。

 

ある程度、こうなることは分かっていましたが、実際になってみるとやはり辛いです。

 

健康上の理由でほとんど残業はするなと言われていたのに、2月末から3月頭にかけて毎日3時間は残業。

それにかけて、年度末特有のプレッシャーもあり、3月の第2週には、再びぶっ倒れました。

大事な会議が入っていたのに、いけなかったのです。

 

後から聞いた話だと、職場は相当混乱したようです。

「もう出て来れないんじゃないか」

そんな憶測も出て実際そうなった時の対応まで考えられていたとか。

大変迷惑をかけてしまい、本当に申し訳なかったです。

 

一方その頃、おいらもおいらで具合はだいぶ良くなかったです。

18時くらいまで寝込んでいましたが、この段階でだるさが取れず身動きが取れません。

 

「こりゃ、本格的にダメかも。。。」

 

と頭にチラつきましたが、

翌朝、何とか動けるようになり奇跡的に出社。

 

以降、本調子とはいえず、絶好調時の数割ぐらいしか仕事がこなせていませんが、

食らいつくように職場に戻っています。

 

復帰してそれでも何とか仕事を続けていられるのは、完全に割り切ったからでしょう。

メールもたまりまくりで未開封のものがたくさんありますし、

今週はそれで重大な連絡を見逃しあわやトラブルまで行きました。

 

以前ならここで落ち込んでもはや再起不能だったでしょう。

しかし、それで動けなくなって休んでしまっては、今度は職場が崩壊します。

 

まぁ、「そこを考えるのが上司の責任だ」と割り切ることもできますが、

そうはいっても人員の補充はそう簡単にはいきません。

 

なので、自分の考えを改めることにしました。

 

とにかく、何があっても出社はする。

そして、できることしかやれない。できないことはとりあえず他の人に伝えて様子を見る。

 

こう心がけるようにしました。

 

「あれもやらなきゃ、これもやらなきゃ……」と混乱し頭がフリーズすることもありますが、

そこは諦めの境地で、

 

・今できることはなにか

・最優先でやらなければならないことは何か

 

そう問いかけることで、カオスな思考内容からやることを一つだけ取り出す。

 

そんなイメージで仕事に取り組んでいます。

 

そういう状況なので、マルチタスクはできません。

シングルタスクで、一つ一つ、間違えないように慎重に進めることしか、いまの自分はできないのです。

 

そこに歯がゆさを感じずにはいられません。

自分の能力のなさに、嫌になる時がたくさんあります。

 

しかし、思うのです。

 

嫌なことがあったりどうしてもうまくいかなくて立ち止まりそうな時。

それでも、少しでも前進していれば、ゴールには必ずたどり着く、と。

 

これは、サイクリングから学んだことです。

途中心が折れそうでも、ペダルを回している限りどこかには必ず到着するのです。

 

それに、自分の能力が十分に発揮できないのは、病気のせい。

良くなれば全てが上向くはずです。

今は辛い時期ですが、これを乗り越えればだいぶ良くなると思います。

 

幸い、一緒に仕事を進めてくれる上司と後輩がいます。

そういう点でとても恵まれています。

なので必要以上に落ち込まず、少しずつでもいいから前進し、手伝ってくれる人たちに感謝して、

物事を前に進めていけたら、と思う日々です。

 

幸い、ブログが書ける程度に回復し、気持ちも余裕が出てきました。

 

年度末の忙しさはこれから本番を迎えますが、何とか乗り切り、4月を迎えたいと思います。

【復帰4週目】試練、そして修羅場へ・・・

正式復帰からついに1ヶ月が経ちました。

 

長かったような短かったような。まぁどっちも感じますねw

 

さて正式復帰から4週目ですが、この週が今までの中で一番長かったです。

 

純粋に、仕事に対する時間が増えたのもあります。

残業の量がほぼ休職前の水準に戻りました。

いや、残業量が戻ってもなんとか出勤できるように戻れたというべきでしょうか。

 

正直、朝が辛いのは相変わらず。

あまりよろしくないときはダウンジャケットのフードを被って、外界と隔絶するようにして出勤した日もありました。

 

それでもなんとかやってこれたのは、第一は職場の理解と協力でしょう。

徐々に業務量は、引き継ぎ先の同僚から自分の方に戻ってきつつあります。

 

それでも比率としては、同僚の方がまだ多めでやってもらっています。

おいらとしては、まだ全ての仕事を受け持つだけの力が出せる自信はないですし、

どうみても業務全体が休職前よりもハンパなく増えているので、いずれにしろ同僚との業務分担はしないと死んでしまいます。

 

そういう意味では互いに協調しながらやれているので、休んでいる時の負い目はほぼ無くなり、

今は目の前の仕事を一つ一つ懸命にこなそうとしている状況です。

 

この1ヶ月を振り返ると、復帰してからうまくいっている方だと思います。

 

うまくいった要因としては、

 

・回復期であることを念頭において、無理しすぎない。

・とはいえ、徐々に仕事の負荷を増やし、慣らしていく。

・復帰したての頃は、有給が使えるなら使って途中休みを入れ、次第にフルタイムにしていった方がいい。

・休みの日は気分転換と回復に充てること。

・「休んでしまって申し訳ない」と思うよりも、今できることは何かを考え、行動に移した方が精神衛生的にいい。

・できることをやればいい。できないことはやらない。

・1日10分程度でもいいから、適度に運動をすると体も心もハッピーになれる。

 

かな、と思います。

やはり回復期が一番危ないと思います。

今でも「あー死にたいなー」と思う程度の軽い希死念慮がありますがこれはもう仕方がない。

ほかの別なことを考えればだいたいはどうでも良くなりますし、

「最悪、また休もう」と思えば、不思議な話ですがなんとなく仕事を続けられます。

 

調子がいい日と悪い日がごちゃ混ぜになるので、

この期間は嫌なことがあったり悩んでも、あまり深く考えずやれることを淡々とやるのが一番な気がしました。

 

さて、なんとか1ヶ月間を過ごしてきましたが、

問題はこれから。

 

今週だけでもなかなかハードな感じでしたが、

3月から年度末に突入し、来週からはかなりハードになりそうです。

 

夜勤も復活するので、かなりしんどいと思います。

これを乗り越えるにはどうするか。

 

幸い、職場のサポートもあり全力で立ち向かえるだけの環境は揃いつつあります。

 

こうなったら開き直って、行けるところまで行くしかないかな、と思います。

 

あまり多くを追い求めず、手の届く範囲でできることをしっかりやる。

そう心に刻んで、来週を迎えようと思います。

鬱発作、再出現 。回復策はあるのか?

ついに出てしまいました。鬱発作。

 

鬱発作というのはおいらの造語で、「突如お腹がズーンと重くなり、布団や座っている椅子から動けなくなる、発作のようなもの」です。

 

調子が悪くなる時の前兆のようなものです。これがずっと続くようだと本格的に調子が悪い状態になります。

 

これはさすがに、参りました。

仕事も次第に振られるようになり休めなくなっています。

残業もだいぶ量が増えてきました。1日3時間から5時間程度。

そういうプレッシャーが悪化の要因なのは間違いありません。

 

また休職か?と頭にチラつきましたが、焦っても仕方ありません。

とにかく平日は、

・服薬は切らさず飲む

・帰宅したら何もせずすぐ寝る

・あまり深刻に捉えないようにする

 

といった、効果があまり見込めないことですが、一つ一つの積み重ねが大事、と言い聞かせ実践してきました。

 

一番しんどいのは朝です。家にいるときと通勤時。この時が一番鬱感が強く発作のように苦しいです。

 

しかし、これを乗り越えて職場についてしまえば割と普通。

次のステージだと職場でもしんどいのですが、まだそこまで深刻化していないということでしょう。

 

こうなると、休日の使い方が重要になってきます。

今週は土日を徹底的に休むことにしました。

 

まず、土曜日は完全休養日。

身体の思うままに寝かせます。

しかし寝過ぎでも今度は逆に疲れます。

9時ごろに目が覚めたので、近くのスーパー銭湯へ。

これで気を休め、全身の筋肉をほぐしました。

 

私だけかもしれませんが、鬱の症状が重くなると筋肉がこわばり、身体が硬くなります。

そこをほぐしてあげると心が落ち着き、寝つきが良くなるのです。

 

日曜日も基本的には自然に目がさめるまで寝ます。

休養は十分に取ったので、軽い運動をします。

昨日はサイクリングで家の近くを回りました。

途中、ネットで話題になった飲食店や、兼ねてから行きたかった喫茶店により、時間を潰しました。

こういう時間を取ることが、消耗した体力・精神を回復させるのに必要なことだと思っています。

 

復職の過程で一時的に状態が悪化することがあるのは、ある程度仕方のないことだと思います。

 

日頃から毎日、回復させるような手を打てれば問題ないと思うのですが、

それも難しいようなら休みの日に重点的にケアしてあげたいものです。

 

コツは、

 

・睡眠をたっぷり取ること

・身体のコリをほぐすこと

・軽い運動をして、血液の循環を良くすること

 

この3つを実践することだと思います。

 

土日の2日間を使えればベストですが、

最悪1日だけでも、半日睡眠、午後軽い運動というふうにできると思います。

 

今朝の段階でお腹に重さは残るものの、気分的にはだいぶ軽くなりました。

これで今週、そして1年の中でも一番忙しい3月を乗り切れるか不安はあります。

 

しかし、今はできることを精一杯やるのみ、です。

再び倒れないよう、仕事の結果も出せるよう、できることをコツコツと取り組んでいこうと思います。

復職から3週間目の雑感

復職から3週間程度。

まだそんなものしか経っていないのか、と驚きを隠せません。

体調は良好、気分の変動も、時にはあるけれども、問題のないレベルになっています。

状態として安定期に入ってきたので、気づいたことをまとめようと思います。

(1)ある程度有給を使った方が楽
もしまだ有給が残っているなら、できる範囲で使っておいた方がいいでしょう。
おいらの場合、精神科に加え先月手術した鼻の関係で、1週間に1回くらいは有給を使いました。

今考えると、それがいい休憩になったかもしれません。
通院などうまく理由を作って(作らなくてもいいかもしれないけど)有給を取得し、
復帰したては週3〜4日くらいで働いた方が安定するかもしれません。

(2)休職前の仕事に関してはあまり気にしない
一番しんどかったのは、休職前にやり残した仕事のことでした。
引継ぎ書も作ったのですが本質的にほとんど進んでおらず、復帰したての頃は気になってヤキモキしました。
しかし、別の担当者にすでに割り振られていたので、おいらはそのサポートを担当することに。
自分だったらこうする、というのがあったので、それを伝えるかどうか、伝えたところで「じゃあお前がやってみろよ」の一言が怖かった、
という悩みがありました。

結局、休職前の仕事に関してはあまり考えないことにし、担当者から相談されたり頼まれごとをした時のみ対応することにしました。
すると次第に、役割分担が自然と出来てくるので、今ではあまり気兼ねなくお仕事ができるようになっています。

復帰したてだと早く仕事に慣れなければ、と焦ってしまいがちですが、目の前のやることのみ専念すれば、自然とできることが増えてくると思いました。

(3)表面的な言葉をそのまま信じる
基本的にヘタレな性格なので、ミスをして「気にしないでいいよ」と言われたことでも、
「腹の底ではかなりムカついているんじゃないか」とか
「嫌われてしまったんじゃないか……」
とか考えてしまうことが多いです。

しかし、そういう感情はとりあえず横に置いておいて、ビジネスライクに振る舞うのが一番だと思います。

本当に嫌いだったら、面に向かって怒鳴ってきます。
そうではないのなら、仮に目の前の人が愛想笑いのように思えても、「ああ、普通に笑ってくれているんだな」と思うことにしました。

そこでネガティブに受け取ってしまうと調子が悪化し、再び会社に迷惑をかけてしまいます。
あまり考えず、「ありがとう」とか言われたことを素直に受け取るようにした方が、
精神的に楽な気がします。

(4)自分の体調=会社を休まないことが第一
よほどの緊急事態がない限りは、徹底して定時退社することにしています。
復職から1ヶ月も経っていませんが、未だに第1目標は「体調を安定させること」です。
2月いっぱいまではまだまだ様子見かなと思っています。

復職直後は「他の人のフォローで」と言われましたが、
とはいえいつまでもそれに甘んじていられるほど、人員に余裕がないのも事実。

なのでこの時期一番やりたくないのは、「体調不良で会社を休むこと」。
もちろん、不意に風邪をひいたり、最大限の努力をしたにもかかわらず休んでしまうこともあると思います。

正直、その時はその時です。休んでしまったからといって、自分がダメなやつというわけではありません。これ大事。

大切なのは、そういう休んでしまって仕事に穴を開けないような、取り組みを継続できたかどうか、だと思います。

お酒を飲み過ぎない、刺激物は控える、夜遅くまで遊ばない。生活リズムを崩さない。

単純なことですが、こうしたことが続けられるかどうか、だと思います。

(5)どうしてもダメな時は撤退する勇気を
まだそこまで追い詰められてはいませんが、どうしてもしんどい、しばらく会社に行ける気がしない、という日が来たらどうするか。

もう躊躇なく再び休職を考えた方がいいと思っています。

結局、騙し騙しでも仕事を続けられるか、この先続けられるのが難しいのかどうなのか、だと思います。

またあの灰色の日々に戻るのか、と思うとかなり憂鬱ですが、
復職して1ヶ月程度なら、周りもそこまで戦力として期待していないと思いますので、
早めに撤退した方が自分にとっても会社にとっても傷は浅いはずです。

とはいえ、そういう事態にならないように心がけるのも大切だと思います。
時には心を鬼にして、定時退社か有給をとって、自分のコンディションを整えるのも大切だと思っています。

ここまで、復職から1ヶ月程度の雑感でした。
次第にプレッシャーが高まっているのも感じますが、今の所いい感じで回って来ています。

このままうまく、年度末を乗り越えられればなぁと思うのでした。

通勤時のツボにハマる曲

本日は、通勤中に聴くとツボにハマる曲、をご紹介したいと思います。

朝なかなか家を出られない、会社に行きたくない。

そんな憂鬱な朝を迎えるサラリーマンはたくさんいると思います。

ただ、そういうシチュエーションだからこそ、当てはまるBGMがあります。
どうせ憂鬱な通勤であれば、逆にその状況を楽しめるようなBGMを聴いてみてはどうでしょうか。

まずは1曲目。「テーマ・オブ・半沢直樹〜Main Title〜」

ドラマ、半沢直樹のメインテーマです。
おどろおどろしいストリングスから、軽快なチェレスタが奏でるメロディから始まるこの曲。

どんなに忙しい、追い詰められているサラリーマンでも、半沢直樹並みに理不尽な目にあっている人はそこまで多くないでしょう。

「あ〜半沢直樹よりはまだマシだわ〜」という謎の優越感を味わいつつ、
緊迫しつつも疾走感のあるBGMにのって、まるで自分が半沢直樹のように思えてくると、
なんとなく自分がドラマの主人公になれた気がしてちょっと気分が晴れます。

ただ、のめり込みすぎて、常務に「土下座しろ!!」と言わないように気をつける必要はあります。

次に2曲目。「情熱大陸」。

もはや解説の必要すらないでしょう。
葉加瀬太郎のバイオリンのメロディラインを楽しめます。

あとはお好みで、「〇〇の朝は早い」みたいな脳内ナレーションをつけると、
なんだが自分がすごく頑張っている人に感じられます。

おいらが聴いているバージョンでは、「Hey!」と掛け声がかかるため、
無駄にテンションが上がるのもこの曲のいいところの一つです。

3曲目は「特攻野郎Aチーム」。
伝説のアメリカのアクションドラマ、特攻野郎Aチームのメインテーマ。

ハンニバル大佐をはじめとした個性的なメンバーが、悪と戦う痛快なアクションドラマです。

いきなりストリングスとトランペットの特徴的な出だしから始まりますが、
この曲の一番の聴きどころは、各メンバーを紹介したナレーション。

ベトナムで鳴らした俺たち特攻部隊は、濡れ衣を着せられ当局に逮捕されたが刑務所を脱出し地下に潜った。
しかし、地下でくすぶっているような俺たちじゃあない。
筋さえ通れば金次第でなんでもやってのける命知らず。
不可能を可能にし、巨大な悪を粉砕する、俺たち、特攻野郎Aチーム!」

この前口上の後、各メンバーの紹介ナレーションが入りますがこれがかっこいいし面白い。

通勤中に自分の会社用にアレンジしたナレーションを考えると、ちょっと面白くなるかもしれません。

最後に、「希空〜まれぞら〜」。

NHK朝の連続ドラマ小説の「まれ」のオープニング。

これも朝イチで聞くとなかなかいい曲です。
朝ドラらしい爽やかさ、疾走感があり、「おれも能登いきてえええええええええ」と全力疾走したくなるような
(実際に行動に移したら始末書ですが…)
いい曲です。

まれ、は朝ドラのオープニングのなかでおいらとしては一番好きな曲ですが、
それ以外の曲も朝の出だしで聴く曲としてはとてもいいと思います。


ここまで4曲を紹介しました。
通勤時に聴く曲は、かれこれ10年以上研究してきましたが、
最近の結論としては、

・あまり過激すぎない、激しすぎない曲
・かといってスローテンポすぎない、最初からある程度勢いがある。
・次第に勢いが増して、最後は一番盛り上がった状態で終わる。

こういう曲がいい気がします。
あまりにもノリが良すぎる曲だと、朝イチだと逆に気疲れするので、
程よくマイルドに盛り上がる曲が好ましいです。

また、サラリーマンを主題としたドラマ、ドキュメンタリーの曲は、やはりあいます。
この辺をうまくチョイスすると、憂鬱な出勤でもスムーズに仕事に入れると思います。

自分が合う曲を、探してみてはどうでしょうか?

職場復帰後気をつけたいこと

職場に復帰してから4日経ちました。

とはいえ、金曜日は半日休みの、土日休みなのでまだまだ本格始動というわけではありませんが……。

復帰したての頃は、いまの自分がどれくらいできるのかを見極める大切な時期になると思います。

もちろんフルタイムでの復帰なので、まずは遅刻早退することなく1日をつつがなく過ごすことが求められます。

これが意外と難しいところで、休む前の感覚で仕事を進めようとすると、
その時点でペースオーバーだからこそ病んでいるので、
そのままの勢いで仕事をするとほぼ確実にぶり返します。

なので、最初の頃は休む前の6〜7割くらいの勢いで過ごすように気をつけています。

ついつい、前のペースで働いてしまいがちなので、難しいところです。

来週も鼻の手術の術後経過もあって、しばらくは半日休みなどが増えると思います。
こういうのを利用しつつ、ペースを無理のない程度にあげていけたらなあと思う今日この頃です。

ウィンナーコーヒー

もうだいぶ昔のこと。

小学校4、5年生くらいだろうか。

学校の宿題で星の観察をしたことがある。

幸いにも(?)おいらは千葉の田舎育ち。
東京のように星の光を妨げるような強い光はなく、星の観察にはもってこいの土地柄だった。

まだ寒い時期だったと思う。

夜暗い中親と一緒に公園へ行き、学校で配られたプラスチック製の安っぽい観測機を手にして、
時間ごとに星の位置を記録していく。

生まれてこの方、天文学にはほとんど興味は示さないのだけど(せっかくプラネタリウムに行ってもぐっすり熟睡してしまうタイプです……)、
夜、親と一緒とはいえ、真っ暗な公園を歩いて星を眺めるという非日常的な体験にワクワクしたのを覚えている。

冬の夜空は美しい。
冷え込んだ空気が透明な空気をよりクリアにして、星がよく見える。

観測という行為だけ切り取れば冬の夜は最適かもしれない。
しかし、何時間も外に居続けるという点についていえば、これほど不適切な時期もないと思う。

特に天体観測なんて、常に計器を見ていなければならないものでもない。
親が、それともおいらが飽きてしまったのか、寒さに耐えかねてしまったのか。
次の観測のタイミングまでどこかで時間を潰そう、という話になった。

親がおいらを連れて行ったのは、公園からすぐの喫茶店だった。
実はこの公園、家からすぐの場所にあった。
わざわざ喫茶店に行かずともよかったはずなのだが、普段は即物的な生き方をしている親も、
天体観測というロマンティックな行為のせいでコーヒーの一杯でも飲み、感傷に浸りたくなったのだろうか……。

典型的なハナタレ小僧だったおいらにとっても、喫茶店という文明に触れたのはこの時が初めてだったと思う。

この時のことはよく覚えている。
ファミレスとは違う、見慣れないメニューをじーっと眺めていると、ふと奇妙なメニューがあることに気づいた。

「ウィンナーコーヒー」

頭の中で大きなはてなマークがぷっかりと浮かんだ。

コーヒーなのにウィンナー?
コーヒーの中にソーセージが入っているの??

どんなコーヒーなのか全く想像がつかない。
一種の怖いもの見たさもあったのだろう。おいらはこのウィンナーコーヒーを注文することにした。

運ばれてきた「ソレ」は、想像の斜め上をいく未知の飲み物だった。

コーヒーを注文したはずなのだが、目の前のカップの中でモコモコと埋まっているのはホイップクリームの山。

さらにトッピングで、ごく小粒の真珠のような、チョコレート菓子がちりばめられている。

これは、飲み物なの?

てっきりソーセージのようなウィンナーが出てくると思い込んでいたおいらは、目を丸くしてカップに口をつけた。

あついっ!

ホイップクリームの下には熱々のホットコーヒーが隠れていて、舌をやけどしてしまった。

なんとも奇妙な飲み物である。
へんなものを注文してしまった、と後悔する一方、苦いコーヒーの味に対してホイップクリームの甘さが妙に頭の中にこびりついた。

月日は流れ、現在。

今、池袋の喫茶店でウィンナーコーヒーを飲みながら、この記事を書いている。
病院の診察が思ったより早く終わり、出社まで時間が大幅にあいてしまったのだ。

あれだけ強烈な印象を植え付けたウィンナーコーヒーだが、
その後飲む機会はさほど多くなかった。

ホイップクリームのカロリーと、ちょっとお高めの金額を気にしてのことである。
親からいろんなものを受け継いだが、その即物的な性格も漏れずに引き取ってしまったらしい。

さらには、ちょっとしたかっこつけもあるのだろう。

もともとおいらはコーヒーが苦手だった。
クリームと砂糖を入れても、お腹が痛くなり眠れなくなる程度に。

しかし、会社に入り、事務所や出先でブラックコーヒーを飲む機会が増えるにつれて、
いつしかコーヒーが飲めるようになり、
それどころかあれだけ敬遠していたブラックコーヒーを好んで飲むようになった。

まるで、ブラックコーヒーを日常的に飲むことが、オトナであることの証だと思い込んでいたようだった。

しかし、最近その考えも変わりつつある。

きっかけは、健康上の理由だ。
カフェインの摂りすぎが気になっていて、以前よりコーヒーをのむ頻度を抑えるようになった。
また、コーヒー自体、ブラックコーヒーだけではなくカフェ・オ・レのように牛乳の比率が多いものを飲むことが多くなったし、
普通のコーヒーでも極力ミルクポーションや砂糖を入れて胃の負担を軽減しようとしている。

そうするとだんだんわかってきた。

コーヒーの魅力はブラックコーヒーだけではない。
それ以外のコーヒーもなかなか悪くはない、と。

人間、特に若いうちはやたらと突っ張ったものを好み、
「これでなきゃいけない」みたいなある種の意地を張ってしまうものだと思う。

おいらもそういう時期があった。

「これでなければいけない」「こうでなければいけない」

そんな思いに駆られ、自分を追い詰め、いつのまにか追い込まれ、心身ともに疲れ果てる。

しかし、そんな時にふと視線を外してみる、別の見方をしてみる、別のことしてみる。

すると「こういう世界があったのか」「こういうやり方があったのか」と、
自分の余裕のなさに気づき、ひと呼吸おくことができるようになる。

今のおいらには、そういう瞬間が必要なのだと思う。

ただでさえ、仕事のことに、家庭のことに、やらなきゃいけないことに、ひきづられ、追い回され、尻を叩かれる。

そこで意地をはって「こうしなきゃ」とやってもボキッと自分自身が折れるだけ。

あらゆる選択肢を探りながらじっくり腰を落ち着けて味わう。

そうすることで見えてくる可能性があるような気がするのだ。

東京は例年にない厳しい冷え込みに襲われている。

窓の外に目を移せば、ちらちらと雪が舞っている。

あの日。あの時みた夜空。

大人になってしまった今、天体観測はしなくなってしまった。
(しかしブルベで、真夜中の山の中で強制的に星空を見せられる羽目には何度も遭遇しているが……)

子供の頃のように純粋な気持ちで星空を見ることはないかもしれない。

しかし、初めてウィンナーコーヒーを見て味わった時の驚きや美味しさは、まだ覚えていた。

久しぶりに飲んだウィンナーコーヒーがそれを教えてくれた。

昔の思い出は大切にしまいつつ、これからも色んなコーヒーを飲み、味わっていきたいと思う。